今回の記事は「コードが分からないからあの曲もこの曲も諦めるしかないのかな?」と悩んでいらっしゃる初級から中級向けの方に向けた記事になっております。アコーディオン教則2巻、30頁「分数コード(オンコード)」とも関連しています。
要は難しいコードは簡単にして弾いちゃおう!ということなんですが、簡単にしてしまうと元の曲の雰囲気が損なわれることもありますので、楽譜の通りに弾ける上級者の方はできるだけ楽譜に忠実に弾かれることをお勧めします。
分数みたいなコードが出てきた!
ねこ生徒
サイト主
ねこ生徒
歌本の楽譜に、線で仕切られたコードが出てくるんですよ。なんですか、これ?
分数コード(オン コード)ってやつですね。これはいろんな書かれ方で出てきますよ。
サイト主
ねこ生徒
そうですそうです。読み方は皆、~オン~です。C/Eだったらシー オン イー です。Cがコード、Eがベースです。
サイト主
ねこ生徒
サイト主
ベースが同じ列にない場合
ねこ生徒
せんせい、Am/C、これなんかはどうすればいいんですか? コードはAmでベースはCですけど、Aの列の対位ベースってド♯(C♯)ですよね・・・
サイト主
ねこ生徒
サイト主
ねこ生徒
これはうちの教室だとアコーディオン教則4巻で出てくる予定です。
サイト主
ねこ生徒
サイト主
ねこ生徒
Am/CはAmの構成音ラ‐ド‐ミのうちのドを一番低い音にして弾く形なんですけれど、これが難しい場合はAmの基本形、つまりベースをラで弾きます。/から後ろは無視します。
サイト主
ねこ生徒
構成音が同じとはいえ、ちょっと響きが変わってしまいますよね?
そうなんです。そしてこのAm/Cの場合、ベースの響きを優先してC(ドミソ)を弾いた方が良い場合もあります。よくあるのが F-C/E-Dm-Am/C のようにベースがファ-ミ-レ-ド と順番に動く場合はベースを優先した方が良い場合もあります。この辺は状況次第ですね。
サイト主
ねこ生徒
う~ん、元の響きを出したいなら楽譜通りAm/Cを弾けるようになった方がいいってことですね。
まあそうですね。しかし簡単にすることによってコードが弾けないから曲を弾くこと自体を諦めるという事態は回避できます。コードが同じでベースだけ動く C - C/G - C/A - C/G のようなときも、全部 C にして簡単にして弾くという方法が使えます。
サイト主
左手のコード列にないコードが出てきた場合
ねこ生徒
せんせい、ついでに訊きたいんですけれど、m7 とか 6 とか 9 とか sus4 とか、左手のコード列にないコードが出てきたときはどうするんですか?
サイト主
ねこ生徒
m7 とか 6 とかはアコーディオンでは弾けないんですよね?
ベースとコードの組み合わせで作れるコードも多いんですが・・・上級者向けです。
サイト主
ねこ生徒
コードネームの後ろのほうに書いてある数字で、6以上の数字は無視します。例えば C6、これは C のドミソにドから6番目のラの音が加わるコードなんですが、6番目のラの音を省略して、つまり C で弾きます。
サイト主
ねこ生徒
C6 は C で弾く。では CM7 だった場合も C で弾けばいいですか?
そうです。CM7 は C にドから7番目の音で、難しい話になりますが7番目の音でも長七度(シ)が加わったコードです。これも簡単にして C で弾きます。面倒なのは5以下の数字が付いているときです。M や m の中の音が変化しているので、
サイト主
ねこ生徒
M や m にして弾く作戦ではだめってことですね。
そうです。4や+5やー5を無視してM や m で弾いて、メロディーとぶつからなければ(不協和音にならなければ)いいのですが、大抵メロディーとぶつかるんですよね・・・
サイト主
*+5は aug や ♯5 、ー5 は♭5という書き方もあります。
ねこ生徒
sus4は大抵メロディーとぶつかるのでベースだけ弾くのがいいですね。+5 は5番目の音が鳴らないC7*で弾いてみて、響きが良くない場合はこれもベースだけ弾くのがいいですね。 m-5 はちょっと違うやり方になって・・・
サイト主
ねこ生徒
m で弾いて音がぶつかった場合は、構成音の似た3度上の m コードで代用します。
サイト主
ねこ生徒
例えば Bm-5 だったら、 Bm で弾いてみて右手と音がぶつかるようであれば Dm で代用します。ちょっと響きは変わってしまいますが、右手側の音とぶつかることはこれで大抵避けられます。最後に代用コードをまとめて書いておきますね。
サイト主
ねこ生徒
+5 や m-5 もベースとコードの組み合わせで弾こうと思えばできるんですか?
+5 はベースとコードを組み合わせて M7+5 という似た響きのコードを作ることができますが、ちょっと難しい押さえ方になります。m-5 は響きの似た m7-5 で代用しますが、こちらは M7+5 に比べれば容易です。
サイト主
*アコーディオンの7コードは1,3,7番目の音が鳴ります。C7ボタンの中身はドミシ♭です。しかしフレンチタイプのアコーディオンの場合はミソシ♭が鳴るので、C+5 の時に C7 を弾く作戦は使えません。
dimが出てきた場合
ねこ生徒
dim が出てきたときも困るんです。私の楽器は dim がないので・・・
はい。dim が付いている楽器を持っていても難しくてまだ押さえられないという場合もあると思います。dim は7で代用しますが、同じルート音の7で代用するという訳ではありません。例えば F♯dim だったら、 F♯7で代用するのではなく、D7/F♯ で代用します。
サイト主
ねこ生徒
D7/F♯ はベースとコードを同じ列で弾くので押さえ方は難しくないはずですよ。これも置き換え一覧を最後に書いておきますね。
サイト主
ねこ生徒
曲を弾くこと自体を諦めるより、簡単にして弾けたほうがいいですからね。
サイト主
ねこ生徒
知らないコードが出てきて困っていたので、なんとかなりそうで良かったです。
左手のコード列にないコードが出てきたときに簡単にして弾く方法(初級から中級向け) まとめ
C6 → C
CM7 → C
C9 それ以上の数字 → C
Cm6 → Cm
Cm7 → Cm
Cm9 それ以上の数字 → Cm
Csus4 → ベース ド だけを弾く
C+5 → C7 で弾いてみて、右手の音とぶつかるようならベース ド だけを弾く
Cm-5、Cm7-5 → Cm で弾いてみて、右手の音とぶつかるようならE♭mで弾く
*後ろに置き換え一覧あり
Cdim → A♭7/C で弾く
*後ろに置き換え一覧あり
C で説明しましたが、G や F になっても同じことになります。G6 だったら G で、F6 だったら F で弾くという意味です。
m-5、m7-5 置き換え一覧
よく出てくるものを書いておきます。
C♯m-5、C♯m7-5 → Em
Dm-5、Dm7-5 → Fm
Em-5、Em7-5 → Gm
F♯m-5、F♯m7-5 → Am
Gm-5、Gm7-5 → B♭m
Am-5、Am7-5 → Cm
Bm-5、Bm7-5 → Dm
dim 置き換え一覧
よく出てくるものを書いておきます。
C♯dim → A7/C♯
Ddim → B♭7/D
D♯dim → B7/D♯
Edim → C7/E
F♯dim → D7/F♯
G♯dim → E7/G♯
Adim → F7/A
Bdim → G7/B
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